『道は開ける』を持参して入院
過去の失敗にくよくよし、取り越し苦労の多かったマル夫としては、これらを改めることが重要と思ったので入院の際には『道は開ける(HOW TO STOP WORRYING AND START LIVING)』と日記帳を持参し、この本を熟読することにした。
『道は開ける』には、第一に『今日、一日の区切りで生きよ』とあり、過去の苦悩や明日の心配とは縁を切れとあり、
第二に『最悪の事態を予測せよ』とあった。
私にとって最悪の事態とは胃がんで逝去することだろう。
両親に先立つのは最大の親不幸だが、両親には妹家族が近くにいるし、弟夫婦もいる。
妻と小学生の2人の娘は、ちっぽけだが自宅や生命保険もあるし、何とか生活できるだろう、
と考えると気が楽になり、天命に従おうと思えた。
また、この本には悩みの副作用、それらを予防する多くの体験談などもあり、気持ちが前向きになった。
暗い手術説明会で「当面の社会復帰のための手術」を宣告され5時間の大手術
手術の2日前に「手術は当外科随一の腕の立つ先生が直接執刀するので安心して下さい」と言われたが、手術前日の説明会に行くと非常に暗い雰囲気だった。
その直前に手術検討会が開かれていたようだった。
それまでの医師陣からは今が手術の最後の好機で特別な問題はないと言われていたが、まるでTVのドクターX(執刀医)から周囲の医師らが問題点を見落としており一括された後のような印象。
執刀医からは「当面の社会復帰のための手術を行う」と言われた。
内科ではがんだと明言されていたが、ここでは「がん」という言葉は出なかった。
がんだと先刻承知していたので、問題個所は全て切除してほしいとお願いしたが「肝臓にも血肉腫(小さながん)があるが現時点では手術は不要」とのことだった。
手術日には妻の他、郷里から父が来た。弟も出張のついでにと来ていた。近くに住んでいる従姉も来た。
「当面の社会復帰」ということは、次に入院するとあの世行きかと危惧したが、両親を見送るまで、2人の娘が大学を出るまでは死ねない、と強く思った。
結局、胃、脾臓を全摘し、周囲のリンパなども全て除く通常の倍の5時間程という大掛かりな手術となり、輸血直前で止血できた、と後で聞いた。
<郭林新気功の良さ(その1)>
外科で「がん」と言われなかったのは、私が入院する半年ほど前に「がん」であることを悲観して外科病棟から飛び降り自殺をした方がいたからと後で聞いた。
郭林先生は、毎朝、自然行功など練功することが大切と強くいう。
『道は開ける』には、第一に『今日、一日の区切りで生きよ』とあるが、今日、新しい朝に自然行功などすることで、『自分の力でがんを克服していこうとする前向きな精神(伊丹先生)』が培われることがまず郭林新気功の良さと思う。
郭林新気功を知るまでは天命に従おうと思っていた。
(その1)完、次回(その2)へ続く(マル夫))